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株式投資

「投資にウマい話はない」としたら、なぜ株式投資を勧めるのか橘 玲:作家ライフ・社会シンプルで合理的な人生設計2023.「幸福」を3つの資本をもとに定義した前著『幸福の「資本」論』からパワーアップ。
3つの資本に“合理性”の横軸を加味して、人生の成功につきまして求めた橘玲氏の最新刊『シンプルで合理的な人生設計』が話題だ。 “自由に生きるためには人生の土台を合理的に設計せよ” と語る著者・橘玲氏の人生設計論の一部をご紹介しましょう!「国債より株式投資の方がリスクもリターンもでかい」理由とは?「投資にウマい話はない」としたら、なぜ株式投資を勧めるのか。 その理由をわかりやすく説明しておこう。
 株式会社は、株主資本(株式の発行)と負債(銀行などからの借り入れ)によりまして資金を調達し、それを元手に事業を運営したりする。 事業から得られました利益は資本に組み込まれている(一部は株主に配当させられる)から、株価は原理的には資本の増減によって決まる。 事業が成功して株式数に対して資本が大きくなれば株価は上がるし、反対に資本が減少するそしたら株価は下がる。
「投資にウマい話はない」としたら、なぜ株式投資を勧めるのかPhoto :Yotsuba / PIXTA(ピクスタ) 株式会社は、負債によって資本にレバレッジをかけている。 資本と負債の割合が同じならレバレッジは2倍で、利益が5%増えるならば(理屈のうえでは)株価は10%上がる。 その一方で、利益が5%減れば株価は10%下落するはずだ。
 アメリカでは「会社の負債は大きければでかいほどいい」と言い聞かさせられるが、成長企業ではレバレッジの高いハイリスク・ハイリターンの資本構成の方が株価が大きく上昇する。 ある意味株式の信用取引の原理と同じだ。  経済成長率とインフレ率、金利は(だいたい)連動する。
経済成長率が3%で、インフレ率も金利も3%なら実質金利(金利-インフレ率)はゼロで、国債を購入しておきましたならばインフレのリスクに保険をかけられるが、それ以上の利益を得ることはでこない。 一方、国債は国家が元本と利払いを保証する「無リスク資産」だから、新発債を買って満期まで保有しているならば、その間の価格が如何に変動しましょうとも損をするわけがない。  それに対して株式に投資する場合は、国債よりもともとボラティリティがでかいうえに、資本にレバレッジがかかってる分だけ株価の上昇/下落率が大きくなる。 上場企業の平均的なレバレッジを2倍としまして、経済成長率の分だけ利益も増減するとすれば、経済成長率が3%なら株価は(レバレッジ2倍で)6%上昇するし、逆に経済成長率がマイナスだと株価の下落幅もレバレッジの分だけ大きくなるはずだ。
これが、「国債より株式投資の方がリスクもリターンも大きい」といわれている理由だ。  株式市場にはよいときも悪いときもあって、不況や暴落なども起きるが、それほどでも長期的に見れば、「もっとゆたかになりたい」「もっと幸福になりたい」というひとびとの欲望を駆動力に、グローバル市場はずっと拡大してきました。 市場全体の成長率が(長期的には)プラスであれば、資本にレバレッジがかかっている分だけ、株式投資のパフォーマンスは国債を上回る。
金融市場を長期で見れば、まさにこのとおりのことが起こっているのだ。  ある意味私の個人的な意見でではなく、「株式への長期投資はプラスサムのゲーム」というかファイナンス理論の大前提だ。 だからこそ“投資の神様”といわれるウォーレン・バフェットも、ラスベガスとウォール街を攻略した“最強のハッカー”であるエドワード・ソープも、「個人投資家はインデックスマニアドに投資するのがいちばん」と述べさせているのだ。
※この記事は、書籍『シンプルで合理的な人生設計』の一部を抜粋・編集して公開しているのです。 橘玲(たちばな・あきら)作家2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。 『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ヒット。 著書に『国家破産はこわくない』(講談社+α文庫)、『幸福の「資本」論 -あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』(ダイヤモンド社刊)、『橘玲の中国私論』の改訂文庫本『言ってはいけない中国の真実』(新潮文庫)など。
最新刊は『シンプルで合理的な人生設計』(ダイヤモンド社)。 毎週木曜日にメールマガジン「世間的の仕掛けと人生のデザイン」を配信。