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中国ハイテク業界に「恐怖」再び-まだ投資可能なのか

バンカー失踪で中国ハイテク業界に「恐怖」再び-まだ投資可能なのか 「政府がいつでも追いかけてくるという感覚がある」との指摘 経済重視の政策、続かない可能性-起業家や市場関係者 中国の民間セクターを約2年にわたり厳しく締め付けてきた中国共産党の習近平総書記(国家主席)は今、実業界に対し安心してテクノロジー分野で起業を再開し、中国経済立て直しに貢献することができると主張している。だが、説得は容易ではない。   党による露骨な民間企業規制が始まったのは2020年終盤だ。アリババグループ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏は沈黙。不動産業界に対する包括的な制約が課され、経済の多くの分野が打撃を被った。   当局の手綱が緩みそうになるたびに、規制は新たなセクターに広がり、ゲームやオンライン学習塾、配車アプリも標的となった。ベンチャーキャピタリストは投資にブレーキをかけ、創業者が表舞台に立つことはなくなった。   新たなトラブルの兆しもある。中国の投資銀行、華興資本の包凡会長兼最高経営責任者(CEO)が音信不通となった。華興資本は包氏が調査に協力しているとする短い発表文を出したが、どのような調査なのかには触れていない。こうした不気味な失踪が実業家の心理に国営メディアの前向きな報道以上に大きな影響を与える可能性もある。包氏はテクノロジー業界を担当する花形バンカーだ。 Key Speakers At the APEC Summit in Bangkok 習近平氏Photographer: Andre Malerba/Bloomberg   「恐怖による統治だ。政府がいつでも追いかけてくるという感覚がある。もちろん、民間セクターは一段と警戒を強めるだろう」とナティクシスのアジア太平洋チーフエコノミスト、アリシア・ガルシアエレロ氏は話す。   中国の起業家やベンチャー投資家、アナリスト10人余りへのインタビューで分かったのは、政府による民間セクターへのアプローチを巡り懸念が広がっていることだ。   習指導部は昨年終盤、新型コロナウイルスを徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策を撤回。ロックダウン(都市封鎖)といった約3年にわたり続けてきた厳格なコロナ規制を解き、経済を再び軌道に乗せようとしている。党指導部は安心せよと発信しているものの、インタビューに応じた人々は、経済重視の政策が続かない可能性があると警戒感を隠さない。   企業の景況感と経済成長には直接的な結び付きがある。ガルシアエレロ氏は、政府の締め付けが続けば経済成長を1%程度押し下げる可能性があると分析。中国の国内総生産(GDP)成長率は昨年3%と、これまでの平均を大きく下回った。ブルームバーグの集計データによれば、今年は約5%成長と見込まれている。   ガルシアエレロ氏は「将来の形が変わったことで、投資家も民間セクターも保守的になるだろう」と語る。 「ブラックボックス」   香港を本拠とするゲーム会社の共同創業者、シェリー氏によると、同氏の会社は引き続き規制で身動きが取れない。ライセンスの問題で中国のアプリストアからゲーム2作品が排除され、新作の認可もまだ得られていないという。    「中国でビジネスをするということは、情報のブラックボックスに入ることを意味」し、つまりは「ギャンブルだ」と、機微に触れる問題だとしてファーストネームのみ明かすことを条件にシェリー氏は取材に答えた。 China Investment Chill | The aggregate value of China-based VC deals dropped from 2021's high   電子たばこのスタートアップで深圳に本社を置くスノープラス・テックの共同創業者レイ・シアオ氏は業界に対する規制の変更に伴い、中国の直販店400店舗全てを閉鎖し、従業員の60%を削減した。今は東南アジアやロシアといった市場で成長を探る。   「中国では政府によって不適切と判断されれば、罰則を待つしかなく、できることは何もないと受け入れる必要がある」とシアオ氏は語った。   中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が5日開幕し、李克強首相は23年の国内総生産(GDP)成長率目標を5%前後に定めたと明らかにした。国内産業の弱点克服を図る主要な政府の取り組みやプロジェクトへの民間資本の協力を促すべきだとも呼び掛けた。 China's Twin Tech Giants Are Losing Momentum | Alibaba and Tencent have swung wildly as confidence fluctuates   習指導部は昨年12月の「中央経済工作会議」で、民間支援強化を打ち出した。民間セクターの成長が経済的最優先課題の一つとされ、スローガンも不吉な「無秩序な資本拡大を防ぐ」からより明るい「健全な資本発展を導く」に変わった。   起業家もベンチャーキャピタリストも慎重だが、半導体や人工知能(AI)、バイオテクノロジーといった当局が明らかに重視しているセクターには注目している。工業情報省は戦略的に重要だとみなすスタートアップを「小巨人」と認定しており、最も一般的なアプローチはこうした企業への投資や参加だ。   バイオテクノロジーのスタートアップ、晶泰科技(Xtalpi)の共同創業者で会長の温書豪氏は同社に対するサポートが強まっていると感じている。1月に春節(旧正月)の連休が終わるとすぐに、香港での事業拡大計画をまとめ上げようと高速鉄道で深圳と広州、香港を行き来したという。   温氏は「人々の自信が戻ってきている」と話し、AIで創薬の効率性を高める同社の売上高が23年には倍以上になるとの見通しを示した。   だが、外国勢はそうでもない。啓明創投の創業マネジングパートナー、鄺子平氏は同社ウェブサイトへの1月の投稿で、外国人投資家が「中国はまだ投資可能なのかというファンダメンタルな質問を投げかけ始めている」と指摘した。  米国と中国の関係悪化もリスクを高めている。バイデン政権は米企業による対中投資の一部を制限する大統領令の準備を進めており、中国の軍事・情報収集力を強化し得るAIといった先端テクノロジーなどが規制対象になる見通しだ。

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